本研究は近代の西洋人によって書かれた中国語文法書と中国語教材を資料とし、当時の西洋人が行った中国語文法研究について考察したものである。 まず来華宣教師T.P.クロフォードの中国語著作を整理し、彼の中国語著作は官話で書かれたものと上海語を表記する特殊な符号を用いて書かれたものの二つに分けられることを述べた。文法研究に関しては、「受動態に関する記述」を整理し、中国語の特徴である無標被動文に関する記述があることを指摘した。また「量詞」に関する記述を考察し、冠詞の概念を用いて中国語の量詞を用いたフレーズを説明する記述があることを指摘した。当時の西洋人が量詞の機能を多面的に捉えていたことが確認された。
|