本研究では、トライボ反応膜の摩擦特性と構造を対比しながら反応膜の低摩擦・耐摩耗性のメカニズムを解明することを目的とした。構築した高感度摩擦試験機を用い、添加剤由来の反応膜の摩擦特性を評価した。反応膜自身の摩擦特性は表面形状に関わらず、膜の化学構造に依存することが分かった。反応膜の成長速度は最初段階で速く、その後徐々に遅くなることが見られた。反応膜の成長に伴い、摩擦係数が減少した傾向が見出された。このような反応膜をスラスト玉軸受の軌道面に形成させ、摩擦係数は反応膜がない場合と比べ、約50%減少したことが分かった。
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