近年様々な「日本人」が移住するグアムを事例に、在外教育施設における教育ニーズの多様化という現代的課題について、1)子どもの教育ニーズの把握、2)教員の教育実践の解明というトピックを設定し、それらを現地でのフィールド調査より明らかにした。明らかになったのは次の2点である。1)子どもの家庭の社会的・文化的・経済的背景や移住経験が多様であるため、言語・学力、アイデンティティ・帰属意識、進路選択に関するニーズが複雑な様相を呈していた。2)教員はそうした多様な教育ニーズに応えるために、「日本」の教育を実施することを念頭に置きつつ、「現地・現場」の文脈に寄り添った柔軟な教育実践を展開していた。
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