平成27年度においてWeb調査会社に登録するモニタに対して実施した調査と全く同じ調査を、平成27年度の調査に参加したモニタを対象に再度実施し (縦断調査)、本研究において作成した節制飲酒尺度の再検査信頼性 (同じ尺度を一定の期間経過した後に施行して同じ結果が得られるか) について検討した。また、一般市民を対象に、いわゆる「ネット依存」のスクリーニングテストであるインターネットアディクションテスト、タバコ使用障害のスクリーニングテストであるファーガーストロームニコチン依存度テスト、およびギャンブル障害のスクリーニングテストであるSouth Oaks Gambling Screen (SOGS) を施行し、節制飲酒尺度で測られる乱用の程度と他の依存症との関連について検討した。 協力の得られた3箇所のアルコール依存治療施設に加療中のアルコールの問題をもつ患者に対し、節制飲酒尺度に加えて、精神的健康度の指標としてWHO-5、K6、13項目7件法sense of coherenceスケール日本語版等を、向社会性の指標として信頼感尺度、被受容感・被拒絶感尺度等を施行した。当初予定していたよりも現在加療中のアルコールの問題をもつ患者からの参加が得られなかったことから、今後、さらにアルコール依存治療施設の協力を仰ぎ、データを増やす。そして、従来のアルコール依存症者をスクリーニングするためのカットオフポイントと予防教育に有用であると考えられるアルコール乱用者をスクリーニングするためのカットオフポイントを定める予定である。
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