単一細胞や単一微粒子中に含まれる極微量元素を分析するために,微小液滴を噴出できるドロプレットネブライザと,液滴試料用の脱溶媒装置,誘導結合プラズマ分析装置を組み合わせて,ドロプレット試料導入ICP分析システムを構築した。液滴試料用の脱溶媒装置の試料加熱部の最適化を行い,藻類細胞中に含まれるMgの分析において従来装置の約30倍の信号強度を得ることに成功した。磁性ラテックス粒子を用いて本システムの分析精度の評価を行った結果,相対標準偏差で19.5%の精度で分析できることが分かった。本システムを用いてヒト癌細胞の単一細胞分析を行い,一つの細胞にpgレベルで含まれるMgとCaの発光分光分析に成功した。
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