我々はこれまで、一般的な超伝導線材作製の方法であるPIT(Powder-in-tube)法(超伝導体の原料を金属管に充填し加工後、熱処理を行うことで超伝導線材を得る方法)に独自の工夫を施した鉄拡散PIT法を開発した。鉄拡散PIT法を用いて作製したFeSe超伝導線材は多結晶体より約2 K高い超伝導転移温度(電気抵抗がゼロになる温度)Tc ~10 Kを示した。 本研究では、鉄拡散PIT法で作製したFeSe線材の結晶粒間結合を改善させるために、熱処理時間が超伝導特性に及ぼす影響を調べた。その結果、鉄拡散PIT法で作製したいずれのFeSe線材においても熱処理時間に関係なく、高いTcが得られた。
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