研究課題/領域番号 |
15H06771
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
宮田 将徳 関西学院大学, 理工学部, 助教 (10756670)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | 炎症 / シグナル伝達 / 創薬 / 転写制御 / 翻訳後修飾 |
研究実績の概要 |
本研究の究極的な目的は,生命の基本活動である核内における遺伝子発現機構,すなわち転写機構の理解を深め,その機構原理を疾患の予防や治療法の開発に応用する事である. 代表者は、核内受容体およびその他の転写因子複合体による新たな転写制御機構を明らかにした。本研究ではモデルとして核内受容体 GR および NFkB p65 を用いて、新規な転写制御機構を解明し、制御することを目的とする。目的を達成するために核内受容体 GR の転写に影響を及ぼす分子および GR の翻訳後修飾を同定する。本年度は、GR-p65複合体解析のための、発現コンストラクト作製および安定高発現細胞株の樹立を行った。得られた実験材料および細胞を用いて、BioID 法を用いた評価系の検証を行った。発現量および局在ともに実験に適したものであったため、今後、LC/MS 質量分析を行い核内受容体の転写制御に関わる分子の同定を目指す予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に使用する機器、試薬、実験材料のセットアップを整えることができたため。GR-HTB および GR-BirA* 安定高発現細胞の樹立を行い、発現をWestern blot, 免疫蛍光染色法にて確認した。両方法により実験に使用出来る適正な発現レベルおよび局在を示した。また、BioID法によるビオチン化修飾タンパク質の発現および局在も同法により確認できた。以上のことより、質量分析用サンプル取得の準備が整ったと判断したため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間内の到達目標 1. GR-p65 複合体を発現する細胞系および複合体精製手法の構築 2. プロテオーム解析によるGR-p65 複合体関連タンパク質の選別
実験には本研究の対象疾患に関連するヒト肺上皮細胞および GCs 耐性のあるヒト白血病細胞を用いる.GR および炎症惹起因子 NF-κB p65 の転写調節分子を同定するために,実験手法として質量分析機器を用いたプロテオーム解析を行う.本研究が順調に進めば, 同定した転写調節分子を制御する薬剤のハイスループットスクリーニング系 (HTS) の構築を見据えている. 得られた研究成果は積極的に学術論文, 学会, 沖米田研および本学ホームページより発表する.
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