寝たきり高齢者の褥瘡予防ケアを検討するために、骨突出部位に重心が集中する頭側挙上位でのベッドメイキングの違いによるハンモック現象の発生状況調査を実施した。 高度病的骨突出患者2名の45度頭側挙上体位の仙骨部の型取りと体圧測定を実施した。高度病的骨突出患者の褥瘡予防に使用する高機能エアーマット(ビッグセル:ケープ(株))を使用し、臀部形状の型取りは吸引式固定バッグ(エスフォーム:エンジニアリング・システム(株))を使用して転写した。臀部模型は、臀部形状の転写物からFRP樹脂と樹脂粘土を使用して作成した。これにより、高度病的骨突出患者の45度頭側挙上体位での臀部の形状を視覚的に観察することができた。体圧測定は(ComforMat:NITTA(株))を使用し、仰臥位体位から45度体位までの変化を測定した。この調査によって45度頭側挙上での骨突出部の体圧は高値で、頭側挙上による骨突出部位のずれが明らかとなった。2名の高度病的骨突出患者のうち、より骨突出が顕著な1名の臀部模型に荷重調整を行いベッドメイキングの違いによる45度頭側挙上での沈み込み調査を行った。結果、シーツの有無やベッドメイキングの方法による沈み込みの違いは無かった。これは、ベッドメイキング後に頭側挙上することでマットレスの上端と下端の直線距離が短縮し、シーツの張りに余裕ができたためと考え、頭側挙上0度と45度のシーツの緩みの比較実験を追加した。 2名の45度頭側挙上は、膝上げなしで実施しており、骨突出部位のずれ幅が大きかったことから、膝上ありの頭側挙上で1名の型取りを追加した。この骨突出模型3を使用して、「シーツなし」「処理なし」「コーナー法」「結ぶ法」のベッドメイキングによる接触面積、接触圧の比較実験を実施した。今後は、ベッドシーツよりも体側に近い病衣についても検討を進めて生きたいと考える。
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