研究課題/領域番号 |
15H06784
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
植田 耕造 畿央大学, 健康科学部, 研究員 (80761048)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | Lateropulsion / 前庭機能障害 / 直流前庭電気刺激 |
研究実績の概要 |
脳卒中後にはLateropulsionという一側へ傾く側方方向の姿勢制御障害が起こるが、そのメカニズムや有効な治療法は確立されていない。Lateropulsionのメカニズムとしては前庭機能障害の関与を示唆する報告が多いが未だ不明瞭である。そのため、本研究では脳卒中後のLateropulsionと前庭機能障害の関連性の解明を目的としている。また、前庭機能障害に起因するのであれば、前庭機能を刺激する直流前庭電気刺激が有効である可能性がある。そこで、本研究では直流前庭電気刺激がLateropulsionに与える効果の検証も目的にしている。 Lateropulsionと前庭機能障害との関連性の解明に関しては、Lateropulsionの程度をModified clinical test of sensory interaction on balance(modified CTSIB)という感覚戦略に焦点を当てた姿勢制御のテスト中の足圧中心(COP)動揺で、前庭機能障害の程度を自覚的視性垂直位で評価しており、その関連性を検討中である。 直流前庭電気刺激がLateropulsionに与える効果の検証は、重心動揺計の上に閉脚で立った状態で、Lateropulsionにより倒れる方向の乳様突起に陰極を、反対方向の乳様突起に陽極を設置した直流前庭電気刺激を感覚閾値の強度から実施し10秒毎に0.2mAずつ上昇させていき、重心動揺計の左右COP位置が0になった地点の強度を最適強度と設定し、最適強度の調査を行っている。その後、約1週間、立位練習前に最適強度で直流前庭電気刺激を毎日実施し、一週間後にmodified CTSIB時のCOP動揺と自覚的視性垂直位の評価により直流前庭電気刺激の効果を検証している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の被験者は星ヶ丘医療センターの入院患者としているが、当初予定していたより対象患者数が少ないため、
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今後の研究の推進方策 |
Lateropulsionと前庭機能障害との関連性の解明に関しては、Lateropulsionの程度をmodified CTSIB中の足圧中心(COP)動揺で、前庭機能障害の程度を自覚的視性垂直位で評価しており、引き続きその関連性を検討していく。 直流前庭電気刺激がLateropulsionに与える効果の検証は、直流前庭電気刺激の最適強度の調査と、その強度で実施した場合の効果の検証を実施しており、引き続き実施していく。
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