本研究ではまず、骨髄炎におけるHLAの遺伝因子としての意義を明らかにするとともに、KIR受容体との関連性を検討することで、骨髄炎の罹患要因に関する遺伝的及び免疫学的背景を明らかにすることを目的としている。健常人検体に比べて骨髄炎検体で有意に高頻度に存在し、疾患感受性と考えられるHLA/KIRの遺伝多型の組み合わせを同定する。このため、骨髄炎検体と健常人検体を全国から収集し、HLA領域全長の塩基配列決定に基づく遺伝多型の検出、およびKIR受容体の遺伝子座有無の遺伝多型の検出を行うことが必要である。 本年度は、複数の医療機関から検体収集を行うための協力機関ネットワークの構築を行った。久留米大学・北海道大学・新潟大学・長崎大学では研究における倫理申請を完了することができた。また国立国際医療センター・広島大学では、研究協力と検体収集管理の協力を得ることができた。また金沢大学とは、今後のゲノム解析における協力を得ることができた。更に、収集した検体からDNA抽出を行うため、SRLへ委託し同作業を行うシステムと体制を確立した。 なお、本研究への協力体制の確立のため、日本口腔外科学会・日本口腔内科学会での発表を行った。
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