研究課題/領域番号 |
15H06799
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
池田 佐知子 福岡大学, 医学部, 准教授 (70640275)
|
研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
キーワード | 里親支援 / 行政保健師 / 母子保健サービス / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
研究目的は社会的養護児童の家庭的な用語を目指して、国が里親委託を推進し、地域の中での里親養育が増加が見込まれる現状において、地域の行政保健師が里親を理解し、里親の身近な支援者となることを目指し、教育プログラムを検討するもので、平成27年10月から取り組んでいる。 平成27年10月から里親及び幼児健診に関する文献の検討を開始するとともに、米国での里親支援状況の現地視察を可能にするため、関係機関への連絡を開始した。また、10月にこれまでの里親に関する研究を抄録にまとめ、日本公衆衛生看護学会に応募し、平成28年1月24日の学会において、「里親の幼児健診の満足要因に関する課題検討」と題してポスター発表を行った。発表内容を聞いていただいた保健師からの意見を参考に、(里親制度)(里親種類)(幼児健診受診時の満足割合と不満内容)についてを重点とした内容で保健師に向けて研修する内容を検討修正し作成した。 平成28年1月31日から2月5日にかけて、米国シアトルを訪問し、米国における里親支援に関し、児童相談所・民間財団・NPOの活動を視察し、その結果について資料をまとめ、3月に福岡市児童相談所長及び佐賀県母子保健福祉課課長他関係職員に説明を行うとともに、保健師に向けての研修の必要性について説明を行った。佐賀県からは、児童相談所のニーズと合致しているので、児童相談所と協働での開催について提案され、年度明けに児童相談所の保健師に連絡し、具体的な研修の実施について検討することとなった。 3月には、岩手県盛岡保健所、静岡県東部保健福祉事務所に電話連絡を行い、岩手県盛岡市保健所については、訪問して研究の説明を行い、保健師に向けての研修会を7月に実施していただく内諾を得ることができた。静岡県についても年度明けに連絡を行い、実施について検討をいただく内諾を得ることができ、平成28年度中の実施を目指しているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育内容の作成、学会の発表、米国視察など実施でき、2月前半までは進行としてはおおむね順調であった。 しかし、2月中旬に研究者本人が脳動脈瘤の手術で入院・休養を必要としたため、その間、研究が停滞することとなってしまった。その影響で、2月から3月にかけて、自治体に対し、研究協力を集中的に行うこととしていたが、結果として2自治体に出張説明するにとどまり、残り1か所は電話の対応のみで保留となっている。 今後は、具体的研究内容を示しながら、さらに2自治体の協力拡大を目指して説明説得に努めたいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究について、具体的なプログラム・アンケート用紙に加え、自治体への依頼文書、研究対象者への説明文、同意書、撤回書等の研究に関する資料を作成し、本学の倫理審査委員会に5月に提出することとしている。審査が6月中旬に実施されるため、審査後、岩手県盛岡市及び佐賀県の既に了解をいただいている自治体に依頼文書を発送し、具体的な実施を計画する予定である。 また、5月中には、協力いただく自治体を増やすため静岡県と鹿児島県の関係機関に連絡し研究の説明を行うこととしている。 7月~11月にかけて、協力が得られた自治体では、市町村行政保健師への里親支援に関する研修会を開催し、その前後及び実施後3か月~6か月でアンケート調査を実施し、アンケートの分析・評価を行った上で、行政保健師に対する効果的な里親支援強化に向けてのプログラムの作成を目指していきたいと考えている。
|