研究課題
グレリンは、主に胃で産生されるペプチドホルモンであり、3位セリン残基にオクタノイル基が結合したオクタノイルグレリン(活性型グレリン)が摂食亢進作用を示すことが知られている。活性型グレリンの生成には、Ghrelin-O-acyltransferase(GOAT)およびfurin、PC2、PC1/3などのプロホルモン転換酵素が必要である。我々は肥満の予防および改善を目的として、活性型グレリン産生抑制物質のin vitro探索実験系を構築し、その探索を行ってきた。前年度はカルボキシル基を有する物質を中心に探索を行い、オレアノール酸などの5種類のカルボキシル基を有するトリテルペンおよび緑茶成分エピガロカテキン没食子酸(EGCG)の活性型グレリン産生抑制作用を明らかにした。今年度は、オレアノール酸およびEGCGをマウスへ投与し、両物質がマウス血漿中活性型グレリン濃度を低下させることを明らかにした。さらにEGCGを投与したマウスから採取した胃のグレリン、GOAT、furin、PC2およびPC1/3のmRNA発現量をリアルタイムPCRにて測定し、グレリンおよびPC1/3のmRNA発現量が低下していることを見出した。EGCGの加水分解産物である没食子酸およびエピガロカテキンは、in vitroにおける活性型グレリンの産生抑制作用を示さなかったことから、EGCGが活性の本体であることが示唆された。本研究により、カルボキシル基を有するトリテルペン類およびEGCGの活性型グレリン産生抑制作用が明らかとなり、これらの物質を用いた抗肥満薬およびサプリメント開発への可能性が示された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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