水納島方言は、石垣島と宮古島の中間に位置する水納島で話されている言語である。先行研究が少なく、多良間島方言との音韻論的差異が知られるのみであったが、研究代表者は「消滅の危機に瀕した南琉球・多良間水納島方言の記述的研究」(科研費23720240)において、水納島方言の格体系、音韻形態論的な特徴、動詞の活用、親族語彙の体系を記述し、多良間島方言との違いを明らかにした。 本研究では形容詞の形態論的な記述研究を中心に行い、水納島方言の形容詞の基本構造、活用タイプ、また、叙述法断定の3種の形式が焦点化の位置、意味タイプによって使いわけられる場合のあることを明らかにした。
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