本研究では、これまで申請者が沖縄本島で研究してきた養豚と差別という枠組みを、ハワイの沖縄系移民社会へと展開することで、移民先で養豚と結びついた差別がどのように生じ、人びとがそれにいかに対処しているかを、沖縄系移民の生業と他の住民との関係、およびオキナワ・リバイバル・ムーブメントの営みとの関連で理解し、新たな理論モデルを提示することを目的とした。 具体的には、まずハワイ沖縄系移民の生業の変遷と差別の重層構造を明らかにした。次に、現在の沖縄系移民にみる養豚の展開と文化復興運動について現地調査を実施した。さらに並行して、移民社会論と、人類学の生業・差別論に関する理論研究を行なった。
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