本研究では,曲げモーメント及び軸力を受けるH形鋼梁の横座屈性能の把握を目的とし,母屋や屋根折板などの非構造部材が取り付く大空間構造物におけるH形鋼梁を対象として横座屈実験を行った。以下の主な成果についてまとめる。 1. 屋根折板などのH形鋼梁の上フランジ全体を拘束することで,拘束がない場合に比べて横座屈耐力の向上が期待できる。 2. ブレースなどによりH形鋼梁の曲げモーメントに加えて軸力が作用することで柱及び梁を含む構造物全体の保有水平耐力は上昇するものの,H形鋼梁の横座屈語の耐力劣化は拘束がなく,ブレースが取り付かない場合よりも大きくなる危険性がある。
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