研究課題/領域番号 |
15H06811
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研究機関 | 富山高等専門学校 |
研究代表者 |
横山 恭子 富山高等専門学校, 一般教養科, 助教 (50759165)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | 日朝関係史 / 対外関係史 / 朝鮮通信使 / 加越能地域 |
研究実績の概要 |
平成27年度の主な研究実績は次の2つである。1つ目は第65回石川県五学会連合研究発表会「朝鮮通信使と加越能地域-加賀藩前田家の乗馬役を中心に-」(於石川県立図書館、2015年12月)における口頭発表である。「中川長定覚書」『加越能文庫』「朝鮮人御用馬留帳」『川合文書』等を用いた史料分析から、正徳・享保期に注目し加賀藩前田家に課された乗馬役が、加越能地域の朝鮮人御用として地域社会に広がっていく過程を検討・考察した。 2つ目としては韓国で出版された趙炳魯編『交通史研究の動向と展望』(国学資料院、2016年3月)への論文寄稿である。上述の大会報告の内容をもとに同一タイトル「朝鮮通信使と加越能地域-加賀藩前田家の乗馬役を中心に-」にまとめ、日本語ならびに韓国語(韓国人協力者との共訳)にて掲載した。 なお学会口頭発表・論文化は2年目以降の予定であったが、双方とも先方からの依頼であったため実施することとした。石川県域・韓国国内における当該研究・史料に関するの情報収集にも有益であった。口頭発表の方は、参加者に地理学・民俗学などの専門家もおり、また現地史料に詳しい方々から類似史料についてご助言を得ることができた。論文執筆については寄稿先が趙炳魯氏の定年退官記念論集ということもあり、執筆者に韓国人・中国人交通史研究者が多かった。東アジアの研究者・研究機関へに向けての成果発表ともなる貴重な機会であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度に研究課題を進めるに当たり、主に実施したことは①韓国国史編纂委員会所蔵『対馬宗家文書』のマイクロフィルム複写(『賀州八人乗破船和漂民記録』など計5点)、②研究成果の学会口頭発表・論文執筆である。先述したように、本来の計画では1年目に研究史料の収集・内容分析を集中的に行い、2年目に学会発表の予定であったが、先方の都合により早めに実施した。 関連史料については、上述の成果発表に必要なものから順に収集したため、平成28年度においても、不足分・追加分の史料調査を実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度については①史料調査(国内調査・海外調査)と②研究成果の学会口頭発表・論文執筆を並行して行う。特に昨年度に収集しきれなかった韓国国史編纂委員会所蔵『対馬宗家文書』の方は、海外調査でもあり、夏季休業などのまとまった期間を活用し、集中して行う予定である。 成果発表に関しても、すでに越中史壇会大会口頭発表、交通史学会シンポジウム口頭発表の2つの研究報告を依頼されている。これらの報告のために、平成27年度より収集した史料をもとに、従来の正徳・享保期に続く延享・宝暦期の乗馬役の分析や時期による比較などを踏まえた、新しい研究成果を準備・発表する予定である。
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