マダガスカル島において、インド系マダガスカル人(以下コージャ)は、いわゆる世界システム論における「中枢」と「周辺」の関係を利用し、すなわち「中枢」のイギリスやフランスの「コントワール(仲介者)」として、マダガスカルなどの東部アフリカ沿岸地域で活躍した。従来の研究では、ヨーロッパ近代を中心として描写されるいわゆるユーロセントリズムの歴史観からアフリカやアジアは一方的に支配される側として描写されてきた。しかし本研究ではこのような西洋中心主義の歴史観は大きく修正される可能性が理解できる。すなわち本研究では、西洋と非西洋という単純な二項対立的な歴史像の修正の可能性を示した。
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