近年、生体外における毛髪再生技術が注目されている。毛髪生産において重要な役割を果たす細胞の一つが「毛乳頭細胞(DP細胞)」である。申請者は、ヒト由来DP細胞の「スフェロイド+低酸素」培養を行うことで、生体外でDP細胞の毛髪生産能力を高めることが出来ると発想した。 そこで本研究では、(1)ヒト由来DP細胞スフェロイド形成技術の確立、および(2)DP細胞への低酸素培養の効果を検証した。その結果、微細加工技術を利用することで、効率的にスフェロイドを形成可能な技術を確立した。一方、今回の低酸素培養条件では、ヒト由来DP細胞に対する低酸素培養の効果を見出すことが出来なかった。今後詳細な検討が必要である。
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