東アジア諸国の漢文で書かれた古典書籍には、記載される漢文を訓読するための訓点と呼ばれる注釈が書き込まれている。訓点は判別が難しい複雑な書き入れが多く、コンピュータを用いた調査・解析はあまり行われていない。そこで本研究では、訓点情報を損なうことなくコンピュータに電子テキストとして取り込むための、電子的な記述手法と電子化プロセスの確立を目標に研究を行った。主に次の3つの研究成果をあげた。①訓点の一つであるヲコト点の構造化記述方式の提案。②電子化ツールの開発。③電子化したヲコト点情報を用いた基礎計量を行いヲコト点の性質を明らかにした。
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