渦鞭毛藻Nusuttodinium aeruginosumはクリプト藻の葉緑体を取り込んで細胞内に保持する盗葉緑体現象を示す。本研究で行った発現遺伝子解析により、クリプト藻の核は渦鞭毛藻細胞内でも広範な転写活性を維持し、光合成、無機窒素同化が行われていることが示唆された。一方で、細胞周期関連遺伝子群の発現量は低下しており、クリプト藻細胞周期進行が停止していることが示唆された。 また、盗葉緑体同調分裂機構の解明のため、クリプト藻Guillardia thetaを用いて葉緑体分裂制御機構の解析を行い、葉緑体分裂のタイミングはクリプト藻の核にコードされる因子によって制御されることが示唆された。
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