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2015 年度 実績報告書

多様な性フェロモン分子を生み出す炭素鎖短縮メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15H06854
研究機関国立研究開発法人農業生物資源研究所

研究代表者

上原 拓也  国立研究開発法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域, 研究員 (80756023)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワード性フェロモン / 性フェロモン生合成 / 奇数炭素鎖性フェロモン / スズメガ / サザナミスズメ
研究実績の概要

サザナミスズメというガは、(9E,11Z)-9,11-pentadecadienalという物質を性フェロモンとして利用している。この物質のもつ奇数個の炭素骨格は、これまでに明らかになっている性フェロモン生合成経路からは説明することができない。本研究では、サザナミスズメの奇数炭素性フェロモンの生合成機構を明らかにするために以下の実験を行った。①雌の性フェロモン分泌腺に存在する各種脂肪酸をメチル化しGC-MSで分析することで、分泌腺における性フェロモン前駆体の組成を検出した。さらに、同位体で標識した脂肪酸を分泌腺に塗布し、性フェロモン前駆体への同位体物質の取り込みを検出することで、生合成経路を確認した。その結果、偶数炭素鎖の飽和脂肪酸から炭素鎖を短縮する経路が示唆された。②本種の性フェロモンの生合成酵素として、特に脂肪酸の炭素鎖短縮に関わるものを明らかにするため、性フェロモン腺でのトランスクリプトーム解析 RNA-seqを行った。候補と考えられる酵素遺伝子が無数に見つかったため、来年以降、他の組織との比較トランスクリプトーム解析を行い、さらに候補遺伝子を絞り込む予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

生化学実験による合成経路の確認や、RNA-seq解析を行うことができたが、当初の計画よりは遅れている。天候の影響で、野外からサンプルが十分に確保できなかったことが、その原因である。そのため、室内での飼育も計画通りにできず、実験①及び②に十分量のサンプルを供給できなかった。

今後の研究の推進方策

前年秋に、野外個体を採集・保存しているため、今年度は、十分量サンプルを供給できる見込みである。実験①では、複数の同位体標識脂肪酸の前駆体への取り込みを確認し、示唆された生合成経路をより確実に証明する。実験②では、他の組織でもRNA-seqを行い、性フェロモン腺と比較トランスクリプトーム解析を行うことで、さらに候補遺伝子を絞り込み、それらについて機能解析を行う予定である。実験③として、スズメガ科に属する他種の性フェロモン同定を行い、奇数炭素鎖性フェロモンを探索する。

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公開日: 2017-01-06  

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