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2015 年度 実績報告書

新規マウス空間的注意課題における各サブタイプの介在ニューロンの働き

研究課題

研究課題/領域番号 15H06861
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

青木 亮  国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (70757137)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワード自動行動訓練 / オプトジェネティクス
研究実績の概要

研究計画で述べた行動実験については、目的となるPosner課題の確立のために、全自動行動訓練システムの拡張に努め、一日に28匹のマウスを訓練することが可能になった。また予備的に方位弁別課題の訓練を行ったところ、マウスはこの課題をよく学習し、さらに数理的解析によりこの学習には課題そのものの仕組みを学習するproceduralな学習と、方位弁別能それ自体の学習であるperceptualな学習が存在していることが判明した。現在これらの解析を通じて培った統計的手法をPosner課題に応用すべく、実験の準備を進めている。
また、2光子顕微鏡によるイメージングとオプトジェネティクスによる神経活動操作を同時に行うために、digital micromirror device(DMD)を用いた局所的光刺激の系を立ち上げた。当初検討していた水銀ランプを光源とした刺激では光強度が足りないことが判明したため、顕微鏡の1光子レーザーを改造し、光刺激用光源として用いることで十分な強度の光刺激を実現することに成功した。さらにこの系を用いてアデノ関連ウイルスを注射した遺伝子組み換えマウスで、in vivoの状態で選択的に神経活動を誘起することに成功している。
今後はこれらの活動記録、光刺激を、行動課題と組み合わせることで生理的に意味のある神経活動を明らかにしていく。すでに予備的な実験により、全自動訓練システムで覚えた学習課題を、顕微鏡下でも同様に行えることが判明し、またそのための設備も、ハードウェア、ソフトウェアの両面で整いつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予備的な実験で方位弁別課題をマウスが学習可能なことが判明した。この課題はマウスが学習可能なことがこれまでに知られていなかった新規課題であり、また定量性が高く心理物理学的な解析に適しているため、マウスの認識的意思決定を調べるモデルとして学術的にきわめて意義深い。一方で国際的に競争の激しい分野であるため、優先して論文にまとめる必要があった。そのため当初の予定であったPosner課題の確立は一時的に遅れた。しかしながらそのことで得られた知見、解析用のソフトウェアの開発は、後々Posner課題の解析にも必要であり、長い目で見れば深刻な遅れはないと予想している。
一方で各生理実験の立ち上げは順調に行われている。具体的には、2光子イメージングデータの取得及び画像解析、光刺激の制御、アイトラッキングシステム、それらの行動記録との同期などである。

今後の研究の推進方策

当初の計画に従って研究を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Studying perceptual representations in mice with a fully-automated training system for voluntary head-fixation2016

    • 著者名/発表者名
      青木 亮
    • 学会等名
      日本神経科学大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-07-22 – 2016-07-22
  • [学会発表] Fully automated training system for head-fixed mice2015

    • 著者名/発表者名
      Aoki R, Nishiyama R, Goya Y, Benucci A.
    • 学会等名
      北米神経科学会
    • 発表場所
      Chicago
    • 年月日
      2015-10-21 – 2015-10-21
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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