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2016 年度 実績報告書

サルDREADDシステムを用いた主観的価値に基づく意思決定の神経回路操作

研究課題

研究課題/領域番号 15H06872
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

藤本 淳  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 博士研究員(任常) (20756390)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワードサル / DREADD / 意思決定 / 報酬 / 背側線条体 / 腹側淡蒼球
研究実績の概要

抑制性DREADD(hM4Di)を組み込んだウイルスベクターを準備し、マカクサル2頭の両側吻内側尾状核(rmCD)へ手術的に導入した。1.5ヶ月後、 [11C] Clozapine PETによってDREADDの標的部位における発現を確認した。また、hM4Diの選択的リガンドであるClozapine-N-Oxide(CNO)の全身投与により、報酬量課題における価値にもとづいたエラー率の変化が障害されることを確認した。エラー率の変化の障害は、特に小さな報酬価値の違いの区別において顕著であった。
続いて、これら2頭のサルの尾状核(CD)および腹側淡蒼球(VP)から単一電極を用いて神経活動記録実験を行った。結果として、CDニューロン76個、VPニューロン94個が記録された。これらのニューロン群のうち、報酬量を示す手がかり刺激に対する発火頻度が報酬価値を反映したもの(ANOVA、P<0.05)は、CDで31個(41%)、VPで57個(61%)となっていた。このことから、解剖学的な結合をもつCDとVPは、ともに強い報酬価値表現を示すことが確認された。さらに、CDとVPにおける神経表現の差異を調べるため、上記ニューロン群において効果量が有意となる潜時を調べたところ、価値表現はVPで先行して生じていたことが確認された。これらの結果から、CD→VP経路は報酬価値情報の表現そのものではなく、情報の維持および補強に寄与していることが示唆された。
以上の結果より、尾状核と腹側淡蒼球の報酬価値情報の処理における役割が明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] PET imaging-guided chemogenetic silencing reveals a critical role of primate rostromedial caudate in reward evaluation2016

    • 著者名/発表者名
      Nagai Y, Erika Kikuchi E, Lerchner W, Inoue K, Ji B, Eldridge MAG, Kaneko H, Kimura Y, Oh-Nishi A, Hori Y, Kato Y, Hirabayashi T, Fujimoto A, Kumata K, Zhang M, Aoki I, Suhara T, Higuchi M, Takada M, Richmond BJ & Minamimoto T
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 7(13605) ページ: 13605-1,13605-8

    • DOI

      10.1038/ncomms13605

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] サルDREADDシステムを利用し報酬価値情報の処理経路を探る2016

    • 著者名/発表者名
      藤本 淳
    • 学会等名
      生理研研究会2016 「行動を制御する神経ネットワーク機能の解明に向けて」
    • 発表場所
      愛知県岡崎市
    • 年月日
      2016-12-10 – 2016-12-10
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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