研究課題/領域番号 |
15H06875
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
野村 真利香 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (30453575)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | 肥満 / 生活習慣病 / 大洋州 / 島嶼性 / 地域戦略 |
研究実績の概要 |
アジア大洋州地域においては生活習慣病(Noncommunicable Diseases: NCDs)予防の観点から肥満対策は急務である。特に国土が広大な海洋域に広がる島嶼地域においては、島嶼性に依存する固有リスク要因の整理と対策が必要である。本研究計画では、アジア大洋州の島嶼固有性に配慮した肥満・NCDs対策島嶼モデルの検討につなげるため、本年度は、世界的なNCDsの現状と世界保健機関(World Health Organization: WHO)による取組みを踏まえて、大洋州島嶼国のNCDsの現状と取組みについて概観した。 大洋州においては、世界に先駆けるようにして、またWHO戦略に呼応するようにして積極的に実施してきたNCDs対策の各種取組みにもかかわらず、NCDsにおける現状は改善がみられていない。その地理的条件や経済の脆弱性において、SPCのような地域枠組みの支援を得つつ大洋州島嶼国が一体となって取組むNCDs戦略は、同地域の保健開発においてきわめて重要であることが示唆された。昨今、同地域における気候変動による海面上昇や高潮、サイクロンによる経済打撃の危険は、脆弱なコミュニティ経済に影響するだけでなく、NCDs対策のための持続的な保健財政の確保にも影響している。こういった同地域共通の「島嶼性」が、日常の消費や習慣における「健康な選択」を制限していることが考えられるが、一国での解決が難しいことから、地域戦略でのアプローチが同地域には欠かせないと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
統計解析体制の整備、ならびに文献レビューを中心に、本研究課題は比較的順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は二次データの詳細分析と結果解釈を捕捉する現地ヒアリング・情報収集等を行い、より現地のコンテクストに沿った分析・考察を目指す。
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