研究課題
アジア大洋州地域においては生活習慣病(Noncommunicable Diseases: NCDs)予防の観点から肥満対策は急務である。特に国土が広大な海洋域に広がる島嶼地域においては、島嶼性に依存する固有リスク要因の整理と対策が必要である。本分析ではフィジー共和国の肥満・NCDsに関するコミュニティデータを詳細に分析し、アジア大洋州の固有性に配慮した肥満・NCDs対策島嶼モデルの検討を試みた。まず、フィジー共和国の肥満・NCDsに関するデータを詳細に分析し、30‐40歳代女性の50%、50歳代女性の60%がBMI30以上の肥満で、中年期以上の女性がリスクグループであることが明らかになった。またBMIのみで糖尿病をスクリーニングすることは難しく、他の体格指標の検討あるいは組み合わせが必要だと考えられた。次にROC(Receiver Operating Characteristic)分析を用いて、肥満の指標として通常使用されているBMI(Body Mass Index)、腹囲に加えて、ウエスト身長比の3指標について、高血圧症と糖尿病の予測に関する感度と精度を算出して妥当性を検討した。結果として、高血圧症と糖尿病予測ともにウエスト身長比で高検出を認めた。大洋州島嶼地域においては島嶼という地理的特性からヘルスサービスへのアクセスがきわめて限られていることから、コミュニティベースでのNCDsスクリーニングが盛んにおこなわれている。効率的なスクリーニングのために、データ分析による適切なターゲット設定と、体重計や機材を必要としないNCDsリスク早期発見の簡便な方法としてのウエスト身長比の使用が有用と考えられた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Fiji Journal of Public Health
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国際保健医療
巻: 31 ページ: 309-321