本研究課題では、発達障害がある児童の触覚過敏・鈍麻傾向などの知覚異常の客観的評価のための触覚刺激呈示デバイスの開発を目指している。はじめに、ちくちくとした刺激を呈示することができるフォンフライ式圧痛覚計を用いたタッチテストの特徴を調べ、この方法は一定した刺激呈示が難しいことがわかった。次に、温度と振動の刺激呈示と荷重計測による3つの物理刺激を調整することができるデバイスを試作した。評価結果から、タッチテストに比べて物理刺激を定量的に調整することができ、再現性がある物理刺激を可能であること、また複数の刺激を組み合わせることで痛みに起因した刺激を人工的に生成し、呈示することが可能であると示された。
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