本研究は,スリングエクササイズトレーニング(ST)が大腰筋の筋形態,股関節屈曲トルクおよび最大疾走速度に与える影響を明らかにすることを目的とした.陸上競技短距離および跳躍選手45名を,通常のトレーニングに加え,STを10週間実施する群(TR)と,通常のトレーニングのみを実施する群(CON)に分けた.その結果,TRでは大腰筋横断面積,股関節屈曲筋力および最大疾走速度は有意に増加した.一方,CONでは,股関節屈曲トルクは有意に減少し,その他の項目に有意な変化はなかった.本研究の結果は,通常のトレーニングにSTを加えることで,股関節屈曲筋群の機能改善を促し,疾走能力を改善することが明らかとなった.
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