本研究は、インドシナ半島内陸から海への出口である、ベトナム北中部のゲティン地域において考古学調査を実施し、その成果から、ベトナム沿岸部をハブとした内陸部と海域アジアの交易の様相について考察するものである。 ゲアン省及びハティン省において、2015 年 12 月と2016 年 9 月に発掘調査を実施した。調査では、陳朝から黎朝期のベトナム陶磁器や、明朝から清朝の中国貿易陶磁器が多数出土し、ラム川河口部が、13世紀の陳朝以降、対外交易を行う港であったことが考古学的に確認できた。 また、調査地域における朱印船貿易時代の日本人の活動を示す資料等を確認し、日越交流史研究を進展させる成果を得ることができた。
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