研究課題/領域番号 |
15H06901
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研究機関 | 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー |
研究代表者 |
重松 圭 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, 透明機能材料グループ, 研究員 (40754578)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | 酸化物 / 透明導電膜 / アニオン複合酸化物 / トポタクティック反応 |
研究実績の概要 |
透明導電性材料の新奇材料・新奇合成プロセスの探索がともに重要である。近年発見されたアモルファス複アニオン酸化物ZnONが高移動度を示すことをふまえ、本研究では、フッ素を含むアモルファスZnOXの合成に取り組み、この系の高移動度の起源を探ることを目的とする。合成の中でフッ素化のトポタクティック反応の長所に着目し、透明導電膜の特性制御に活用することを目指している。 本年度はまず、反応の前駆体となる酸素不足ZnO薄膜をパルスレーザー堆積法を用いて合成した。製膜プロセスの中で高い真空度とアブレーションレーザーのエネルギーを制御することでこれを達成した。現在はこれらの薄膜のトポタクティックフッ素化の反応条件を検討中である。 また最近の文献調査の結果、フッ化亜鉛を酸化剤に作用させる方法でもフッ素ドープ酸化亜鉛が合成されていることを発見した。研究目的達成のため、これを参考にした合成ルートも並行して検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
薄膜の前駆体となる酸素欠損ZnO薄膜がPLD法によって得られている。また、トポタクティック反応の装置の立ち上げが完了し、検証実験に取り掛かることができている。以上から予定通り実験を進められていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、酸素欠損ZnOにトポタクティックフッ素反応を試み、反応の進行を検証する。特に、反応条件によってフッ素量が制御できるかどうかを組成分析により確かめる。さらに、透明導電体として重要である電気輸送特性・光学特性の評価を通じて、フッ素置換量との対応した特性の議論を行う。
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