海底地震計記録を用いて、南海トラフ海溝型巨大地震発生域のS波速度構造モデルを構築することを最終目的としている。海底地震計のS波記録は、海底付近の低速度層の影響を大きく受けている。本研究では、まず、既存の地震探査データに対して、スペクトル要素法を用いて理論地震波形を作成し、海底付近の構造に対するS波波形の感度を定量的に評価した。更に、Neighborhood algorithmを使った全波形インバージョンによる構造推定に向けて予備調査を行った。 研究期間の後半は、本研究対象の海域で、2015年に発生した浅部低周波地震活動の海底地震計記録を解析し、沈み込み帯構造に対する震源分布を明らかにした。
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