研究課題
陸域観測技術衛星2号に搭載されたフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダーを用いて、メコンデルタ最大の米生産地であるアンジャン省およびカントー市内の水田をリモートセンシングした。その結果、例え水田土壌が雲や水稲体に覆われていても、湛水土壌と非湛水土壌ではALOS2から照射されたLバンドマイクロ波が異なる様式で散乱していることが分かった。マイクロ波の偏波と位相の情報を利用して解析すれば、水稲の生育段階や雲の有無を問わずに湛水水田土壌と非湛水水田土壌の判別ができる可能性を示すことができた。水田土壌が湛水することで、二酸化炭素の25倍強力な温室効果ガスであるメタンが放出されることが知られている。本成果が応用できれば、メタン発生領域の広域評価精度の向上へ貢献できると期待される。メコンデルタ中央部の沖積土壌地帯に位置するカントー市内の、代表的な水稲三期作農村集落内水田に、AWD(Alternate Wetting and Drying)節水灌漑を導入し、水稲生産性・温室効果ガス発生量を4年間(2012~2015年)にわたって調査した結果を取りまとめた。取りまとめた水位データを用いて、湛水期間の長さから温室効果ガス発生量を推定する統計モデルを作成した。衛星観測結果を地上検証するため、低コストで地上多地点・時間連続的に水稲生育・水田環境を観測できるシステムを作った。5000円程度のシングルボードコンピュータへ約4000円程度のカメラセンサを取り付け、時間連続的に水稲の生育情報を観測し、生育ステージの変化や施肥の影響・出穂・倒伏を検出することができた。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Soil Science and Plant Nutrition
巻: 62 ページ: 150-163
10.1080/00380768.2016.1165598
巻: 61 ページ: 719-735
10.1080/00380768.2015.1041862