現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベンジルアミンおよび長鎖アルキルカルボン酸の末端にハロゲン原子を導入した化合物を用いた有機塩を用いた場合、目的としていたキラルな2次元シート型超分子構造が形成されていた。さらに、そのキラルな2次元シート型超分子構造がハロゲン結合によってキラルな様式で集積することで、キラリティと極性を持った結晶を構築していた。このキラリティは、X線結晶構造解析および振動円二色性スペクトル測定によって確認した。極性については、X線結晶構造解析に加えてフランスのルーアン大学にてGerard Coquerel教授の協力で第二高調波発生特性を測定することで確認した。この特性は水晶比で2~7倍程度であった。分子自体が大きな分極率を持つものを用いることでさらに高い特性が得られると考えられ、これは有機非線形光学結晶設計の1つの指針となる成果である。これらの成果は、学術会議および学術誌にて発表済みである(T. Sasaki, G. Coquerel, H. Sato, M. Miyata et al., Cryst. Growth Des. 2016, 16, 1626.)。
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