研究課題
平成29年度は、拡散強調MRI法を用いてヒトの頭頂葉の背側と腹側をむすぶ経路を明らかにし、さらにfMRI法と組み合わせることでオプティックフロー選択性領域との関連を明らかにした成果の取りまとめを行った。この成果は脳構造研究の国際専門誌であるBrain Structure and Function誌より原著論文として出版された。また拡散強調MRI法・定量MRI法・心理物理実験を組み合わせることで両眼立体視機能の個人差の脳構造基盤を検証した成果についての発表がヒト脳イメージング研究会において奨励賞を受賞し、原著論文を投稿する段階まで発展した。当初の計画より遅れていた網膜疾患を対象とした計測研究のデータ解析が進展し、拡散強調MRIデータと定量的MRIデータという2つの計測法から得られる結果の違いから網膜疾患が白質線維束の微細構造に与える影響を明らかにする成果を得た。この成果は、国際磁気共鳴医学会日本支部会において「優秀抄録賞」を受賞した。このほか、当初より継続していた視覚処理に関わる白質線維束の種間比較研究の成果が磁気共鳴医学における最大の国際会議であるInternational Society for Magnetic Resonance in Medicineにおいて、Magna Cum Laude Merit Awardを受賞するに至った。この成果は、8月に実施したドイツ・ユーリッヒ総合研究機構との共同研究でさらに発展した。このほかにも、当初の計画になかった脳磁図を用いて一次視覚野の応答潜時と白質線維束の組織構造の関連を調べる研究、アルファ波の強度と白質線維束の関連を明らかにする研究も進展し、学会発表をするに至った。ヒトを対象として計測された実験データを基にした研究発表にあたっては、プライバシー保護の観点から実験参加者を特定できる個人情報が資料上に現れないようにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 8件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
Brain Structure and Function
巻: 223 ページ: 489-507.
10.1007/s00429-017-1492-1.
https://researchmap.jp/hiromasatakemura/