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2016 年度 実績報告書

式亭三馬を中心とした江戸戯作者の広告戦略と作品世界の相関的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15J00542
研究機関大阪大学

研究代表者

有澤 知世  大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2017-03-31
キーワード江戸戯作 / 考証趣味 / 絵画 / 異国趣味 / 人的交流 / 山東京伝
研究実績の概要

本研究は、江戸戯作を社会的・文化的に位置づけるために、作品世界と、作品を取り巻く外的な要素との相関性について考察するものである。本年度は以下の成果を得た。
1、京伝作の合巻と小枝繁の読本において『剪灯新話 句解』が挿話として利用されていることを指摘し、繁読本では、先行する京伝合巻の挿絵をも併用していることを明らかにした。繁が京伝作品の典拠を読み解いていたことを示し、年間に多くの作品を執筆する必要のある彼らが、異なるジャンルであっても近い時期に刊行された作品によく目を配り、独自の工夫を施していることを指摘した。この成果は「小枝繁の先行作品利用」として『読本研究新集』に掲載予定である。
2、京伝合巻における異国意匠の取材源が、同時代の戯作者・蘭学者である森島中良の貼込帖であることを指摘し、中良を含む知識人の間で異国に関する文物が共有され、そのネットワークに戯作者が含まれることを指摘した。この背景には、近世後期における考証学の隆盛が存する。この成果は「京伝作品における異国意匠の取材源―京伝の交遊に注目して―」として『近世文藝』に掲載した。
3、2の成果を踏まえ、戯作者が、どのような考証趣味のネットワークに属したのかについて、秋田藩お抱えの狩野派の絵師菅原洞斎が文化三年頃より主催した古書画展観会の成果の一部である『画師姓名冠字類鈔』に注目して考察した。本書は、洞斎が、様々な画師の落款・印章を集めたもので、展観会で披露された資料や知識等も書留められている。調査の結果、展観会の様相の一端を明らかにした上で、展観会の参加者ではないが、京伝が洞斎より借用した資料を用いて行った考証記事が収められていること、洞斎に考証の意見を求める京伝の書簡が存することを指摘し、両者が互いに考証の協力者であったと述べた。この成果は「京伝考証学の協力者―菅原洞斎を中心に―」として日本近世文学会で口頭発表を行った。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 小枝繁の先行作品利用2017

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 雑誌名

      読本研究新集

      巻: 9 ページ: 印刷中

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 京伝合巻と図会もの―京伝の挿絵利用方法についての一考察―2016

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 雑誌名

      日本文学

      巻: 65-6 ページ: 24~35

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 戯作者という〈ブランド〉―式亭三馬の広告文を例に―2016

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 雑誌名

      上方文藝研究

      巻: 13 ページ: 118~128

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 京伝作品における異国意匠の取材源―京伝の交遊に注目して―2016

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 雑誌名

      近世文藝

      巻: 104 ページ: 101~115

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 京伝考証学の協力者―菅原洞斎を中心に―2016

    • 著者名/発表者名
      有澤知世
    • 学会等名
      日本近世文学会平成26年度春季大会
    • 発表場所
      明治大学駿河キャンパス
    • 年月日
      2016-05-14

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公開日: 2018-01-16  

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