研究実績の概要 |
脳内セロトニンが行動決定に及ぼす影響を明らかにすることが本研究の目的である。そこでアカゲザルを用いて、行動決定課題実行中の脳内セロトニン活動を測定した。 1, 課題トレーニング...アカゲザル1頭(monkey Y)に行動決定型報酬スケジュール課題のトレーニングを行った。エラー率20%未満が5日間以上続いた時点で、トレーニングの完了とみなした。 2, MRI撮影/手術...単一ニューロン活動記録実験を行うため、monkey Yの頭部に微小電極刺入用のチェンバーを取り付ける手術を行った。まず、産業技術総合研究所にて頭部MRI画像を撮影した。画像を参考に、測定部位である背側縫線核へのアクセス経路を決定し、チェンバー取り付け位置を定めた後、手術を行った。 3, 単一ニューロン活動記録実験...monkey Yの脳に微小電極を刺入し、背側縫線核における単一ニューロン活動記録を行った。サルの頭部を固定し、覚醒下安静状態で脳に微小電極を刺入した。背側縫線核付近でニューロン活動が安定して観測できたら、行動決定型報酬スケジュール課題を開始し、課題実行中のニューロン活動を測定した。計約20個のニューロン活動を記録した。しかし活動を解析したところノイズが乗ってしまっていた。アンプのフィルター設定の変更、電極の変更、課題の改良、チェアの改良、など様々な方法を試した。また、医学工作室の3Dプリンタを用いて振動吸収装置を製作したが、ノイズは軽減されなかった。 4, マイクロダイアリシス測定...単一ニューロン活動記録を中断し、monkey Pでマイクロダイアリシスを用いて脳内セロトニン濃度測定実験を行った。眼窩前頭皮質における40分毎にセロトニン、ドーパミンの濃度変化を現在測定している。
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