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2015 年度 実績報告書

拡張された量子色力学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15J01081
研究機関大阪大学

研究代表者

山村 亮  大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2018-03-31
キーワード拡張された量子色力学 / くりこみ群 / ハドロン描像 / 有効作用 / グラディエントフロー
研究実績の概要

今年度の4月から7月にかけては,拡張された量子色力学の研究を中心に行った.8月以降は,格子上のグラディエントフローとくりこみ群の関係を中心に研究を行った.
拡張された量子色力学についての研究は,主に大阪大学助教の深谷英則氏と共同で,低エネルギーの振る舞いを2次元の簡単なモデルで解析した.その結果,理論が本来もつ場の自由度とは異なる場の自由度を含めるという,くりこみスキームの拡張ができることを見出した.この結果はある場の理論の低エネルギー有効理論には,無数の記述法があることを示唆する.この結果に基づいた論文がPTEP 2015 no.10 103B05に掲載された.
格子上のグラディエントフローとくりこみ群の関係の研究は,大阪大学の鍵村亜矢氏と大阪大学の富谷昭夫氏(現 華中師範大学所属)と共同で,グラディエントフローに対する有効作用を定義し,数値計算によってその振る舞いを求めた.この研究に基づく論文を「Effective lattice action for the configurations smeared by the Wilson flow」というタイトルで2015年8月に発表した.
さらに山村単独の研究により,数値計算に頼らない,微分方程式を用いた解析方法が発見された.この微分方程式の方法は従来のグラディエントフローの概念を拡張できる.得られた結果は,グラディエントフローがくりこみ群的な描像を含んでいることを示唆する.この研究に基づく論文を「The Yang-Mills gradient flow and lattice effective action」というタイトルで2015年10月に発表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

拡張された量子色力学については,本来の4次元の理論では無い2次元の簡単なモデルについて,解析を行ったが,くりこみ群を用いて低エネルギーのハドロン描像を確認するという目的が達成できた.また,4次元の理論については,符号問題について考察し,1つの解決策を発見したが,4次元では実際の数値計算での実用化は難しい事がわかった.そのため別の解決策を考案する必要がある.

今後の研究の推進方策

拡張された量子色力学については,2次元で十分な解析が行えたので,4次元での解析も行っていく予定である.また,解析を行う上で必須となる,くりこみ群の方法そのものについても,最近の話題を取り入れながら,研究していく予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Renormalization of Extended QCD_22015

    • 著者名/発表者名
      Hidenori Fukaya, Ryo Yamamura
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical and Experimental Physics (PTEP)

      巻: 2015 no. 10 ページ: 103B05(20pages)

    • DOI

      10.1093/ptep/ptv142

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] The Yang-Mills gradient flow and Lattice effective action2015

    • 著者名/発表者名
      Ryo Yamamura
    • 学会等名
      International workshop on "Theoretical Particle Physics 2015"
    • 発表場所
      赤穂研修センター みさき
    • 年月日
      2015-11-03 – 2015-11-03
    • 国際学会
  • [学会発表] Wilson flow させた配位に対する有効作用の解析2015

    • 著者名/発表者名
      山村亮
    • 学会等名
      日本物理学会 2015 年秋季大会
    • 発表場所
      大阪市立大学
    • 年月日
      2015-09-25 – 2015-09-25
  • [学会発表] Renormalization of two-dimensional XQCD2015

    • 著者名/発表者名
      Ryo Ymamamura
    • 学会等名
      The 33rd International Symposium on Lattice Field Theory (Lattice 2015)
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2015-07-15 – 2015-07-15
    • 国際学会

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公開日: 2016-12-27  

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