新規ペリレンビスイミド誘導体を合成し、その自己集合化による超分子ナノファイバーの構築に成功した。しかし、その自己集合化挙動は予想以上に複雑であり、種々の分光学的アプローチによってその詳細を解明するには至らなかった。研究計画に記した目的とする直鎖状ポリマーは、モノマーの合成が難航していたが、ポリマーの共有結合部位をイミド部位に変更して、直鎖状のペリレンビスイミドポリマーが形成することを見出した。形成したポリマーは、溶媒の自然対流の流れに沿って配向し、強い誘起LDスペクトルを与えた。今後、このポリマーの置換基修飾および構造修飾によって、音響配向を示す共有結合ポリマーの開発につながることが期待される。それによって、ナノファイバーのより詳細な音響配向機構が明らかになると期待できる。
|