研究課題/領域番号 |
15J01697
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福田 雄 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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キーワード | 災害 / 宗教社会学 / 記念行為 / 神義論 |
研究実績の概要 |
平成27年度に実施した海外調査にもとづき、インドネシア・アチェの記念行事を事例とした研究報告を5月と7月に行った。これらの報告に対するコメントを踏まえたうえで、2本の論文を執筆した。このうちインドネシア・アチェの記念行事を苦難の神義論という観点から分析した論文は、査読付き学術論文として学術雑誌に投稿した。もう一本の論文は、インドネシア・アチェと宮城県石巻市の津波記念行事を比較した論文となっており、東北大学東北アジア研究センタープロジェクト研究「災害と地域文化遺産に関わる応用人文学研究ユニット」が編集する論集へ寄稿した。この論集は平成29年度に出版予定となっている。 これらの研究発表と並行して、平成28年度は7月、9月、12月と3回のインドネシア・アチェ調査を行った。7月と9月はイスラム暦における重要な年中行事に参加しつつ、インタビューを行いアチェの文化や日常的な文脈について学んだ。また12月の調査ではスマトラ島沖地震の12周年記念行事の参与観察調査を実施した。またこれまでの調査で得られたデータについて、調査協力者とその内容の確認を行うとともに、データ使用にかんする許可を得た。また現地の研究機関から、国連制定の「世界津波の日」に合わせて発行するニュースレターへの寄稿依頼を受け、コラムを執筆した。インドネシア語に翻訳されたこのコラムは、地元新聞Serambiに同封され、多くのバンダ・アチェ市民に読まれている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度(研究計画1年目)に得られたデータを分析し、学術論文を2報執筆した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度(研究計画3年目)においては、平成28年度の研究成果をもとに研究報告を行っていく。先立っては平成29年3月に南オーストラリア大学における国際会議で研究報告を行っている。また平成29年7月にスイス・ローザンヌ大学で開かれる国際宗教社会学会の研究報告の申し込みがアクセプトされている。現在執筆中の英語論文は、この報告後、国際宗教社会学会が発行する学術誌Social Compassへ投稿する予定である。またこのほかにも国内学会での発表を6月に予定している。
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備考 |
国連制定の「世界津波の日」に合わせて発行されるニュースレターへの寄稿依頼を受け、コラムを執筆した(Fukuda, Yu, 2016 「Studi Komparatif Ritual Pasca-Bencana : Aceh dan Tohoku」(災禍の儀礼の比較社会学に向けて―アチェと東北)『Semong News』2016年11月号(シアクアラ大学・津波災害軽減研究センター編)p.10)。
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