研究課題
①支援の継続:所属研究室および提携している他大学研究室において、自閉症スペクトラム障害児を対象とし、継続的な支援を実施した。更に、訓練により運動模倣の獲得が促された。②対人相互作用,発達・障害・行動,音声言語・模倣・共同注意評価:工学デバイスを用いた対人相互作用の定量解析:a) モーションキャプチャを用いた対人距離の定量的測定:自閉症スペクトラム障害児4名を対象とし、療育中のセラピストと参加児の位置情報をモーションキャプチャカメラにより計測した。参加児のセラピストに対する接近・回避行動を自動的に算出する手法が提案されたことにより、対人距離が療育中の行動にどのような影響を与えるか、定量的データを元に検討していくことが可能になったb) ウェアラブルECGによる、心電位の測定:自閉症スペクトラム障害児4名を対象とし、療育中の心電位を着衣型のデバイスにより計測し、療育中の活動と心電位の関係性についての検討を開始した。c) ウェアラブル対面計測デバイスによる、Face to Faceの測定:対面(face gaze)行動を検出するデバイスを用いた、机上での会話場面での計測を開始した。③支援者養成講習の開催:連携している保育園に勤務する保育士約10名を対象とし、支援者育成講習会を継続的に実施した。④臨床現場での運用開始:連携している病院内での支援プログラム運用を開始し、第1年目を終えた。支援による保護者のストレス減少、自閉症スペクトラム障害児の発語頻度の増加、及び問題行動の減少が確認された。⑤発展的な研究:交互交代の定量的評価を行う球体型デバイスの研究成果を展開し、工学デバイスによる即時的な光と振動フィードバックが、自閉症スペクトラム障害児の社会的な遊び行動に、どのような影響を及ぼすかについて検討した。
1: 当初の計画以上に進展している
当該年度の研究計画にに沿い、①支援の継続、②対人相互作用,発達・障害・行動,音声言語・模倣・共同注意評価、③支援者養成講習の開催、④臨床現場での運用開始を遂行した。さらに、発展的な研究として球体型デバイスによる社会的遊び支援の促進を実験的に検討した。また、対人相互作用の高次機能として捉えられる感情認知についての理論的基盤の形成についても研究を進めている。
本研究課題の推進方策として、以下の2点が挙げられる。①国際共同研究の推進:国外研究者との共同研究を通じ、国際的な成果を得る。②工学デバイスの効果検証:工学デバイスを活用した支援研究を行い、工学デバイスが自閉症スペクトラム障害児支援にどのような影響を及ぼすか検討する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 6件) 備考 (1件)
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