研究課題
申請者は本研究において、環状ペプチドの高活性配座を非ペプチドの小分子で模倣するシクロプロパンリガンドを合成した。また鎖状らせんペプチドであるマガイニンを模倣するペプトイド分子において、異なる配列と側鎖を有するライブラリーを設計、合成した。目的のペプチドミメティックライブラリー化合物群の中間体まで合成したが、アミンの保護基の除去において副生成物を生じた。条件検討および一部経路の変更を行い、適切な保護基の組み合わせを得た。今後アミド縮合と脱保護の繰り返しで二つの側鎖を導入し、側鎖長の異なる目的ライブラリーの合成が迅速に達成されるものである。また抗菌活性を有するペプチドのマガイニンを模倣する、らせんペプトイドを多数合成した。計算化学から予想した疎水性モーメントの大小におよそ対応して抗菌活性も高低することがわかった。らせんのねじれの向きや、側鎖の鎖長との関連を調べる目的で光学異性体および、短鎖アルキルアミンを用いたペプトイドライブラリーも合成した、現在活性を調査している。さらに側鎖にアニオン性となるカルボン酸、または配位性官能基となるピリジンを用いたペプトイドも設計、合成した。カルボン酸誘導体では抗菌活性が発現せず、カチオン性残基の有効性を確認した。またピリジン誘導体は緩衝液中らせん構造を形成することを確認した。さらに緩衝液中様々な金属塩を加えたところ、銅塩添加時のみ、らせん構造に変化が起こることが分かった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Brain Sciences
巻: 7 ページ: 132 (15 pages)
10.3390/brainsci7100132