研究課題/領域番号 |
15J02504
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 賢悟 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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キーワード | ロボットハンド / 吸着機能 / 真空パッド / 把持力解析 |
研究実績の概要 |
本研究では、人間の手を超える汎用性を持つロボットハンドの実現を目指し、吸着機能を有 する多自由度ロボットハンドの把持及び操りの理論的解析を行っている。 本年度は、吸着機能を有するロボットハンドの指先と把持対象物間の接触モデルを構築し、この接触モデルを用いて、把持安定性の理論的解析および実証実験を行った。この成果により、ロボットハンドに吸着機能を加えることによる有効性を定量的に評価することできるようになった。また吸着機能を有効に利用する把持方法や、吸着機能を有効に利用することができるロボットハンドの指の配置や自由度を検討することが可能となった。 具体的には、始めに吸着機能を有するロボットハンドの指先の姿勢と、指先から把持対象物へ加えることができる力・モーメントを変更および測定可能な実験装置の設計および製作を行った。この実験装置を用いて、吸着機能を有するロボットハンドの指先から把持対象物へ加えることができる力・モーメントの測定実験を行った。また、吸着機能を有する指先の物理モデルを考慮し、ロボットハンドの指先から加えることができる力・モーメントの理論値を計算した。これらの実験結果および計算結果から、ロボットハンドの指先と把持対象物間の接触モデルを構築した。さらに、構築した接触モデルを用いて、任意形状のロボットハンドの把持の安定性の計算式を導出し、数種類の対象物とロボットハンドについて把持安定性を計算し、吸着機能がある場合とない場合を比較した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一時期体調不良により、研究を行うことができなかったため。また予定より博士論文の執筆およびまとめに時間がかかってしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度構築した接触モデルを用いて、任意形状のロボットハンドによる、物体の把持計画と操りの解析手法を構築する。この解析結果をもとに、吸着機能を有効に利用することができるロボットハンドの構造を検討する。把持および操りの解析結果を実証するための実験装置を作製する。この実験装置は研究室所有のロボットハンドをベースに、指先に吸着機能を取り付け、指の配置および寸法を理論解析をもとに設計し、吸着機能を有する多自由度ロボットハンドである。このロボットハンドをマニピュレータに接続し、ロボットハンドの制御プログラムを実装し、マニピュレータの制御プログラムに統合する。作製した実験装置を利用し、ハンドリング実験を行う。数種類の対象物について、把持計画および操り動作を実際のロボットハンドにより実行する。これらの成果を国内・国際会議において発表する。
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