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2015 年度 実績報告書

熱帯林モザイクにおける時間‐空間マトリックスに基づく生物多様性の広域定量化

研究課題

研究課題/領域番号 15J02671
研究機関京都大学

研究代表者

藤木 庄五郎  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2017-03-31
キーワードリモートセンシング / 焼畑二次林 / 植物群集組成 / 時空間動態
研究実績の概要

本研究は、マレーシア・ボルネオ島北部にある焼畑二次林を対象とし、植物群集組成の定量化とその空間外挿を目指して行われた。まず、現地調査に基づき、時間-空間マトリックスによる群集組成モデルを作成した(目的1)。その後、これまでの研究で開発した林齢の広域推定手法を用いて、モデルを衛星画像上に展開し、植物群集組成の定量化を行った(目的2)。また、衛星画像上の時間軸を変動させることで森林の将来予測を行い、植物バイオマスを最大化させる土地利用のオプションを検討した(目的3)。

【目的1】遷移年数の異なる二次林に設置した40プロットの植生調査に基づき、二次遷移に伴う植物群集組成のパターンは遷移年数と標高に強く依存していること、さらに、種子供給源からの距離にも依存しているということが示された。特に、遷移に伴う植物種数の増加率は、距離に強く依存していることが確認された。これらの結果に基づき、遷移年数と空間条件を説明変数として植物群集組成パターンを予測するモデルを作成することに成功した。
【目的2】目的1で作成されたモデルを高解像度衛星画像に外挿することで、広域の森林の群集組成をDCA1軸(遷移年数と強い相関)と2軸(空間的特徴量と強い相関)により定量化した。さらに、DCA1軸、2軸を赤、緑の二原色比で表現することで、植物群集組成の空間分布を可視化し、どこに/どのような植物群集が存在しているのかを地図化することに成功した。
【目的3】目的2で作成した植物群集組成地図の時間軸を変化させることで森林の任意の将来の群集組成を予測した。その際、様々なシナリオ(焼畑の周期や強度を変える)を設定して将来の森林回復を予測し、地域全体の植物群集の応答について検討を行った。それにより、焼畑の周期や強度に対して植物群集やバイオマスがどのように応答するのかを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

申請書に記載されていた研究計画の現地調査は平成27年度中に全て終了し、研究はデータをまとめる段階に入っている。現在、得られたデータは3つの国際誌に投稿中であり、全てRevisionの段階に入っている。また、国内外の学会で積極的に結果を発表し、国内学会の部門最優秀賞を2つ受賞している。今後さらに3本以上の論文を投稿予定であり、極めて順調に研究は実施されている。

今後の研究の推進方策

今後は論文の執筆を研究活動の中心とする。これまで国際誌に投稿している3つの論文に加えて年度内に新たに3つの論文を投稿することを目指す。年度内に論文の執筆が終了した場合、今後の研究のために、「UAV(Unmanned Aerial Vehicle)を用いた空撮画像からの植生パターンの解明」に向けた別の現地調査を実施する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] ボルネオ熱帯林‐焼畑モザイクにおける時系列衛星解析を用いた植物群集組成の時空間動態予測2016

    • 著者名/発表者名
      藤木庄五郎、岡田慶一、西尾尚悟、長野秀美、北山兼弘
    • 学会等名
      第127回日本森林学会大会
    • 発表場所
      日本大学生物資源科学部(神奈川県)
    • 年月日
      2016-03-28
  • [学会発表] 衛星から熱帯林樹木群集組成の時空間変化をとらえられるのか?2016

    • 著者名/発表者名
      藤木庄五郎、青柳亮太、田中厚志、今井伸夫、鮫島弘光、北山兼弘
    • 学会等名
      第63 回日本生態学会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県)
    • 年月日
      2016-03-21
  • [学会発表] 熱帯降雨林における伐採に対するレジリエンスの空間変異 -Landsat 時系列解析を用いて2016

    • 著者名/発表者名
      園田隼人、藤木庄五郎、青柳亮太、北山兼弘
    • 学会等名
      第63 回日本生態学会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県)
    • 年月日
      2016-03-21
  • [学会発表] UAV(Unmanned Aerial Vehicle)を用いた熱帯樹木3次元構造の測定技術開発2015

    • 著者名/発表者名
      藤木庄五郎・青柳亮太・今井伸夫・北山兼弘
    • 学会等名
      2015年度第2回日本生態学会近畿地区例会
    • 発表場所
      I-siteなんば(大阪府)
    • 年月日
      2015-12-19
  • [学会発表] ボルネオ森林管理区における原生林・伐採林の樹木組成:マレーシア・インドネシアにおける広域調査2015

    • 著者名/発表者名
      青柳亮太・藤木庄五郎・今井伸夫・鮫島弘光・田中厚志・北山兼弘
    • 学会等名
      2015年度第2回日本生態学会近畿地区例会
    • 発表場所
      I-siteなんば(大阪府)
    • 年月日
      2015-12-19
  • [学会発表] Use of the Unprotected Gap between Two Protected Parks as a Corridor in the Upland North Borneo by Mammal Species2015

    • 著者名/発表者名
      Hidemi Nagano, Keiichi Okada, Shogoro Fujiki, Kanehiro Kitayama
    • 学会等名
      5th International Wildlife Management Congress (IWMC)
    • 発表場所
      Hokkaido, Japan
    • 年月日
      2015-07-27
    • 国際学会
  • [学会発表] Biodiversity monitoring for REDD+ in SE Asian rain forests using Landsat images2015

    • 著者名/発表者名
      Shogoro Fujiki, Atsushi Tanaka, Ryota Aoyagi, Nobuo Imai, Hiromitsu Samejima and Kanehiro Kitayama
    • 学会等名
      52nd Annual meeting of the Association for Tropical Biology & Conservation
    • 発表場所
      Honolulu, Hawaii
    • 年月日
      2015-07-17
    • 国際学会
  • [学会発表] ボルネオ熱帯降雨林におけるLandsat衛星画像を用いた生物多様性可視化技術の開発2015

    • 著者名/発表者名
      藤木庄五郎・田中厚志・青柳亮太・今井伸夫・鮫島弘光・北山兼弘
    • 学会等名
      第25回日本熱帯生態学会年次大会
    • 発表場所
      京都大学稲盛財団記念館(京都府)
    • 年月日
      2015-06-20
  • [学会発表] REDD+実現に向けたボルネオ熱帯降雨林におけるリモートセンシングを用いた生物多様性可視化技術の開発2015

    • 著者名/発表者名
      藤木庄五郎・田中厚志・青柳亮太・今井伸夫・鮫島弘光・北山兼弘
    • 学会等名
      2015年度第1回日本生態学会近畿地区例会
    • 発表場所
      I-siteなんば(大阪府)
    • 年月日
      2015-06-13
  • [学会発表] ボルネオの木材生産林における樹木組成:マレーシア・インドネシアにおける広域調査2015

    • 著者名/発表者名
      青柳亮太・藤木庄五郎・今井伸夫・鮫島弘光・田中厚志・北山兼弘
    • 学会等名
      2015年度第1回日本生態学会近畿地区例会
    • 発表場所
      I-siteなんば(大阪府)
    • 年月日
      2015-06-13

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公開日: 2016-12-27  

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