| 研究課題/領域番号 |
15J03333
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
加藤 弘陸 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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| キーワード | 医療技術 / 自己負担 / 競争 |
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| 研究実績の概要 |
日本や他の先進国では医療費がGDPに占める割合が急速に拡大しており、財政上無視できない問題となっている。この医療費増加の主因は医療の技術進歩であると指摘されることが多い。また、技術進歩は医療の質の向上にも大きな役割を果たしている。そのため、医療の技術進歩は医療費および医療の質の両面で極めて重要であり、政策的介入が医療の技術進歩に与える影響を十分に理解することが求められている。
本研究は、医療サービスの価格などに影響を与える政策と医療技術の進歩（発展と普及）の関係を分析している。これにより、医療技術の進歩に関する知見を深め、医療費適正化に貢献しうる有効な成果を得ることを目的としている。
昨年度は、1.こども医療費助成制度による自己負担額の変化が入院医療利用に与える効果の分析、2.医療技術普及に対する病院間競争の影響分析を主に行った。前者の研究では、子どもの医療費の自己負担額の変化を利用して、自己負担の変化が患者の医療利用や医師の行動に与える効果を推定した。近年、多くの市区町村は特定の年齢以下の医療費を実質的に無償化する助成を拡大しており、その助成拡大のタイミングや対象年齢は自治体によって大きく異なっている。この助成制度のばらつきを自然実験とみなし、分析を行った。これまでほとんど研究されることのなかったこどもの自己負担額が与える影響を分析した点や入院と外来の関係性を分析した点にこの研究の意義がある。後者の研究では、これまで日本でほとんど実証されることのなかった病院間の競争という面に着目し、病院間の競争が高度な画像診断技術（マルチスライスCTなど）の普及に与える影響を分析した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究計画としていた1.こども医療費助成制度による自己負担額の変化が入院医療利用に与える効果の分析、2.医療技術普及に対する病院間競争の影響分析については、概ね計画通り分析を行い、報告を行うことができたためである。
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| 今後の研究の推進方策 |
昨年度実施した２つの研究（1.こども医療費助成制度による自己負担額の変化が入院医療利用に与える効果の分析、2.医療技術普及に対する病院間競争の影響分析）については、分析を継続する。特に、自己負担についてはサブグループによって影響が異なる可能性を示唆する結果を得ており、この点を精査する。さらに、近年急速に普及が進んでいる医療技術を対象に、新しい医療技術に対する保険適応といった価格政策が技術の普及に与える影響の大きさを推定する予定である。
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