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2015 年度 実績報告書

ガドリニウム錯体による新規光増感剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15J03538
研究機関九州大学

研究代表者

北川 和宏  九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2017-03-31
キーワード光増感剤 / ガドリニウム / 金属錯体
研究実績の概要

本研究の目的は、ガドリニウム錯体を用いて、光電気化学セルや二酸化炭素の光還元における変換効率を向上させる、高性能な光増感剤を開発することである。具体的には、ガドリニウム錯体が、光増感剤として重要な次の2つの性質を示すことを期待して研究を進めている。(1)長い励起寿命を有する。(2)化学修飾によって容易に酸化還元電位を制御することができる。
平成27年度は、当初の研究計画に沿って研究を遂行した。先行実験(Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 52, 8722)の結果をもとに、新たに2種類のガドリニウム錯体を設計・合成し、その構造を調べた。単結晶X線構造解析の結果より、期待していた通り、溶媒分子であるTHF(テトラヒドロフラン)が1分子配位した7配位構造を有するガドリニウム錯体が合成できていることがわかった。また、合成した新規ガドリニウム錯体の「光増感剤」としての基本物性(酸化還元電位、励起エネルギー、励起寿命および量子収率)を明らかにした。
これらの研究を進めている過程で、フェニル基を発光部位とするガドリニウム錯体が、通常観測困難な「空気下・室温・結晶状態」でリン光(励起三重項状態からの発光)を示すことを発見した。この現象は、高輝度な発光デバイスの開発という観点から近年注目集めている。この錯体の結晶状態での光物性を明らかにし、得られた結果を学術論文にまとめた(投稿中)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度の研究計画に沿って、予定通り「光増感剤」への応用を目的とした新規ガドリニウム錯体を設計・合成し、その物性を明らかにした。また、得られた成果の一部は学術論文としてまとめ(投稿中)、研究は着実に進展している。

今後の研究の推進方策

予定通り、平成27年度(1年目)に開発したガドリニウム錯体を、二酸化炭素の光還元系や光電気化学セルの光増感剤として応用する研究を進める。具体的には、酸化還元電位やエネルギー準位を考慮して、様々な触媒やアノード電極との組み合わせを検討する(光増感反応用試薬、光照射関連器具、実験用ガラス器具を新たに購入予定)。早期にプロトタイプとなる系を見出し、変換効率や反応の量子収率等を評価する(現有設備有り)。

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公開日: 2016-12-27  

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