2016年9月をもって広島大学大学院総合科学研究科を修了した。したがって、今年度の実績は4月から9月までの半年間のものであり、翌年度は交付申請を辞退する。 2016年度は、これまで行ってきた研究について、調査の継続、結果のまとめ、論文執筆を行った。 1)前年度に調査を終えて論文を投稿した、森林生態系における土壌中放射性セシウムの空間変動に関する論文が、Journal of Environmental Radioactivityに受理された。2)林床における放射性セシウムの鉛直方向の動態を明らかにするために、2014年から行っている調査を継続した。その結果、2014年にはリター層から土壌表層へのセシウムの移動がおおむね終了し、ほとんどの放射性セシウムが森林土壌の表層に蓄積していることが明らかになった。この成果について結果をまとめ、論文を執筆し、Journal of Nuclear Science and Technologyに投稿した(2016年12月に受理された)。3)2015年から行っていた、リターおよび土壌中の溶存態放射性セシウムの移動に関するモニタリング装置の開発について、論文を執筆し、Chemosphereに投稿し、受理された(2016年8月)。この研究に関しては、第53回アイソトープ・放射線研究発表会で発表した。 また、上記の研究内容について博士論文の執筆も行った(タイトル:Spatio-temporal changes in 137Cs inventory in soils in neighboring mixed deciduous forests of Fukushima Daiichi nuclear power plant(日本語タイトル:福島原子力発電所近隣の落葉広葉樹林における土壌中セシウム137の時空間変動))。
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