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2016 年度 実績報告書

イネにおける芒(のげ)形成に関わる遺伝子の同定とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15J03740
研究機関名古屋大学

研究代表者

上原 奏子  名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2017-03-31
キーワードイネ / 栽培化 / プロテアーゼ / 選抜
研究実績の概要

本研究では、イネの芒形成に関わる遺伝子RAE2を同定し、その機能を解明することを目的としている。2016年度中に以下のことを達成した。
1.RAE2の属する遺伝子ファミリー(EPF/EPFL)を含む分泌性ペプチドは一般に、前駆体として遺伝子にコードされ、翻訳された前駆体ペプチドが修飾酵素により切断、修飾を受けることによって生理活性を示す成熟型ペプチドとなる。前年度にRAE2は穂特異的に成熟型ペプチドとなることを報告した。今年度は穂特異的な発現を示すセリンプロテアーゼを探索し、SLP1と名付けた一つのプロテアーゼが候補として同定された。合成したRAE2ペプチドとSLP1を混合した後、LC-MS解析によって、in vivoでの切断位置と同等であることを証明し、SLP1がRAE2を切断する特異的なプロテアーゼであることを見出した。
2. 世界中の野生イネと栽培イネ、あわせて130種におけるRAE2のアミノ酸配列を比較したところ、第2エキソンへの塩基挿入に起因する機能ドメインのシステイン数の変化により4C、5C、6C、7Cの4種類に分けられることが明らかとなった。芒形成における機能を検証するため、それぞれの過剰発現体を作出したところ、6Cのみが機能型であり、他3つのバリアントは非機能型であることが示された。また、興味深いことに、アフリカのイネは野生種、栽培種ともに機能型のRAE2(6Cタイプ)を保持していることが明らかとなった。このことは、アジアのイネの栽培化においてはRAE2の機能欠損が選抜されたけれども、アフリカでは異なる遺伝子が選抜されることによって、無芒という共通の表現型が選抜されたことを示している。
これらの結果と、前年度の結果をあわせて論文にまとめ、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. Aに発表した。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] Cornell University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Cornell University
  • [雑誌論文] Loss of function at RAE2, a previously unidentified EPFL, is required for awnlessness in cultivated Asian rice2016

    • 著者名/発表者名
      6.Bessho-Uehara K*, Wang DR*, Furuta T, Minami A, Nagai K, Gamuyao R, Asano K, Shim RA, Shimizu Y, Ayano M, Komeda N, Doi K, Miura K, Greenberg A, Wu JZ, Yasui H, Yoshimura A, Mori H, McCouch SR and Ashikari M.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci U S A.

      巻: 113: ページ: 8969-8974

    • DOI

      10.1073/pnas.1604849113.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Development and evaluation of Oryza nivara chromosome segment substitution lines (CSSLs) in the background of O. sativa L. cv. Koshihikari.2016

    • 著者名/発表者名
      Furuta T, Bessho-Uehara K, Shim RA, Shim J, Nagai K, Ashikari M and Takashi T.
    • 雑誌名

      Breed. Sci.

      巻: 66 ページ: 845-850

    • DOI

      10.1270/jsbbs.16131.

    • 査読あり
  • [学会発表] 糖による野生イネ地下茎における重力屈性の制御2017

    • 著者名/発表者名
      別所-上原奏子、Jovano Nuguroho Erris、芦苅基行
    • 学会等名
      日本育種学会第131回講演会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2017-03-29 – 2017-03-30
  • [学会発表] Variation in cysteine residue number in REGULATOR OF AWN ELONGATION 2, a novel EPFL gene, leads to awnlessness in rice2016

    • 著者名/発表者名
      Bessho- Uehara K*, Wang D. R.*, Furuta T, Minami A, Nagai K, Gamuyao R, Asano K, Shim R. B. A, Shimizu Y, Ayano M, Komeda N, Doi K, Miura K, Greenberg A, Wu J. Z., Yasui H, Yoshimura A, Mori H, McCouch S. R., Ashikari M.
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor Asia Conference
    • 発表場所
      淡路島
    • 年月日
      2016-11-29 – 2016-12-02
    • 国際学会
  • [学会発表] The signal peptide RAE2 regulates awn elongation in rice2016

    • 著者名/発表者名
      別所-上原奏子、芦苅基行
    • 学会等名
      新学術領域環境記憶統合若手の会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2016-10-12 – 2016-10-14
  • [学会発表] 芒形成原因遺伝子RAE2の同定により明らかとなったアジアとアフリカにおけるイネ栽培化の歴史2016

    • 著者名/発表者名
      別所-上原奏子, Diane R. Wang, 古田智敬, 南杏鶴, 永井 啓祐, 浅野賢治, 三浦 孝太郎, 清水義弘, 綾野まどか, 土井一行, 米田典夫,Greenberg Anthony, 安井秀, 吉村淳, 呉健忠, Susan R. McCouch, 芦苅 基行
    • 学会等名
      日本育種学会第130回講演会
    • 発表場所
      鳥取大学
    • 年月日
      2016-09-24 – 2016-09-25
  • [学会発表] イネの芒形成を制御するシグナルペプチドRAE2 の同定と機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      上原奏子, Diane Wang, 古田智敬, 南杏鶴, 永井啓祐, 米田典夫, 綾野まどか, 森仁志, Susan R. McCourt, 芦苅基行
    • 学会等名
      日本植物学会第80回大会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター
    • 年月日
      2016-09-16 – 2016-09-19
  • [図書] 育種学研究2017

    • 著者名/発表者名
      吉津祐貴、別所-上原奏子、矢部志央理、世古 智一、宮武 宏治
    • 総ページ数
      48-53
    • 出版者
      日本育種学会和文誌
  • [図書] 生物の科学 遺伝2016

    • 著者名/発表者名
      別所-上原奏子、古田智敬、芦苅基行
    • 総ページ数
      58-62
    • 出版者
      出版社エヌ・ティー・エス

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-02-16  

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