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2016 年度 実績報告書

ボツリヌス毒素複合体の宿主侵入機構に関する構造生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15J03770
研究機関大阪大学

研究代表者

阿松 翔  大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2018-03-31
キーワードボツリヌス毒素 / 食中毒 / 腸管吸収 / プルダウン / LC-MS/MS / 蛍光免疫染色
研究実績の概要

2年目となる本年度では初年度に引き続き、B型菌由来HAに結合する分子を生体の腸組織から回収し同定することを試みた。
初年度に検討した組織ライセート調製条件において、プルダウン法によりマウス小腸組織ライセートからHA特異的に結合するタンパク質を回収し電気泳動により分離展開した。トランスウェル上に単層培養した大腸がん由来細胞株Caco-2細胞に対して頭頂側から基底側へのトランスロケーションをほとんどしないHA(2+3)部分複合体をネガティブコントロールとして、HA(1+2+3)全複合体特異的に共沈殿したバンドをゲルから切り出した後LC-MS/MS解析によりタンパク質の同定をおこなった。
LC-MS/MS解析により同定した複数の候補分子の中から実際にHAのトランスロケーション機能に関与する分子を特定するために、培養細胞を用いて蛍光免疫染色法とコンフォーカル顕微鏡を用いた3次元的観察をおこなった。トランスウェル上に単層培養したCaco-2細胞に蛍光標識したHAを細胞のapical側から添加し、37℃で2時間インキュベートした。候補分子抗体を用いて蛍光免疫染色をおこない、HAの細胞内取り込み小胞と候補分子が共局在するか観察した。ほとんどの候補分子は細胞のapical表面のみにおいてHAと共局在したが、候補分子の1つである膜タンパク質XはHAの細胞内取り込み小胞のほとんどと共局在した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度に回収した候補分子に対してLC-MS/MS解析を行った結果、膜タンパク質Xを同定した。培養細胞における局在を解析したところ、細胞内に取り込まれたほとんどのHAと膜タンパク質Xは共局在した。この膜タンパク質XがHAのトランスロケーションに関与していると考え、ノックアウト細胞の作製を行っている。当初計画よりやや遅れているが、有力な候補分子を同定することができたため進展はあったと考えている。

今後の研究の推進方策

膜タンパク質Xは細胞内ドメインにトランスサイトーシスを惹起するシグナル配列を有し、多くのタンパク質の細胞内取り込み及び輸送に関与していることが報告されている。現在は、この膜タンパク質Xを有力な候補分子としてCRISPR/Cas9を用いたノックアウト細胞の作成およびマウス小腸組織における膜タンパク質Xの局在観察をするために蛍光免疫染色の条件検討をおこなっている。

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公開日: 2018-01-16  

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