研究課題/領域番号 |
15J03936
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山谷 浩史 広島大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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キーワード | 葉老化 / 光合成 |
研究実績の概要 |
葉の老化制御は葉菜類・観葉植物の品質上重要であるとともに、バイオマスの増大を通して地球温暖化防止にも役立つ可能性を秘めている。申請者の研究室では自然老化時にも葉が緑色を保つstay-green突然変異体fsg1, fsg2, fsg3を単離している。本研究は、これらの突然変異の原因遺伝子の単離・機能解析を進め、葉老化制御の遺伝子ネットワーク・分子メカニズムを明らかにすることでバイオマス増産への基盤とすることを目指す。 fsg1とコシヒカリ-カサラス部分置換系統とのF2および後代、約3000個体用いたファインマッピングによりFSG1遺伝子を探索した。その結果、原因遺伝子は第8染色体の約40kbの領域に存在することが明らかになった。次に、次世代シーケンサーで突然変異体の全ゲノム塩基配列を決定した。その結果、候補領域に生じた変異は光化学系構成タンパク質のサブユニットに1か所あるのみであった。そこで、逆遺伝学的なアプローチのTILLING法によりFSG1 の対立遺伝子を単離した。表現型を観察した結果、この系統はstay-green形質を示したことから、この遺伝子がFSG1であると考えられた。 fsg2とコシヒカリ-カサラス部分置換系統とのF2および後代、約1600個体用いたファインマッピングによりFSG2遺伝子を探索した。その結果、候補領域の中を第7染色体の約120kbの領域に限定することができた。次に次世代シーケンサーで突然変異体の全ゲノム塩基配列を決定した。この候補領域中のCDSに生じた変異は1か所のみであったため、この遺伝子を候補遺伝子と考えた。次年度は形質転換による相補性試験を行うとともにTILLING法により対立遺伝子の単離し、表現型の観察を行う予定である。 fsg3はMutMap法の適用を視野に原品種を戻し交雑するとともに屋内における世代促進によりF2集団を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ファインマッピングによりfsg1とfsg2の候補遺伝子を単離することができた。しかしながら、交配に失敗したためfsg1~3の2重突然変異体を得られなかったことから、計画を変更して次年度に行う。
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今後の研究の推進方策 |
形質転換による相補性試験でfsg1およびfsg2の原因遺伝子を確定する。並行して、fsg1~3の突然変異体の表現型解析を行う。具体的には生殖成長時と栄養成長時の葉における老化誘導性の遺伝子の発現パターンの変化、葉緑体タンパク質の量的な変化を調べる。また、Fv/Fm値、光合成能などの生理的パラメーターについて解析を行う。fsg1, fsg2,fsg3各突然変異体間の二重変異体を作成し、表現型観察を行う。また、シロイヌナズナのオーソログの表現型を解析する。FSG3の単離には、MutMap法を用いる。
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