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2017 年度 実績報告書

イネステイグリーン遺伝子の育種利用への分子基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 15J03936
研究機関広島大学

研究代表者

山谷 浩史  広島大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2018-03-31
キーワード葉老化 / 光合成
研究実績の概要

老化時も葉の緑色を保つ突然変異体はstay-green突然変異体と呼ばれる。これまでの研究でdelayed yellowing1(dye1)の原因遺伝子は光化学系Iアンテナタンパク質LHCIのサブユニットの一つLhca4であることを明らかにしている。dye1におけるLhca4機能欠損によるアンテナサイズの減少は光化学系Iの機能低下を引き起こすと考えられるが、意外なことにdye1におけるバイオマスの減少や炭酸固定速度の低下は観察されなかった。このことはdye1において光化学系Iの活性低下を補償する作用が働いていることを示唆する。そこで光化学系Iの活性調節に働くシステムとして知られているステート遷移と長期的光順化について検討した。PAM蛍光法によりステート遷移活性を測定したところdye1ではステート遷移活性が極めて低かったことから、光化学系IIから光化学系IへのLHCIIの移動は補償作用として働いていないと考えられた。また、シロイヌナズナの長期的光順化では光化学系I活性に対し光化学系II活性が過剰な条件下で光化学系Iコアタンパク質mRNAの転写が増大するが、dye1では光化学系Iコアタンパク質量がやや増加したものの、転写量の増加は見られなかった。dye1では光化学系Iコアタンパク質量の増加に加え、LHCII量が顕著に増加していた。LHCIIはステート遷移の関与がなくても光化学系Iのアンテナタンパク質として機能できることが知られていることから、LHCII量の増大も光化学系I活性の補償に働いている可能性がある。また、dye1においてクロロフィル含量が高まっているのはこれらクロロフィル結合タンパク質量が増加しているためと考えられた。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Impairment of Lhca4, a subunit of LHCI, causes high accumulation of chlorophyll and the stay-green2018

    • 著者名/発表者名
      Yamatani, H., Kohzuma, K., Nakano, M., Takami, T., Kato, Y., Hayashi, Y., Monden, Y., Okumoto, Y., Abe, T., Kumamaru, T., Tanaka, A., Sakamoto, W., and Kusaba, M.
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Botany

      巻: 69 ページ: 1027-1035

    • DOI

      10.1093/jxb/erx468.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] イネLHCIサブユニット機能低下により導かれるクロロフィル高蓄積機構の解析2018

    • 著者名/発表者名
      山谷 浩史・上妻 馨梨・中野 道治・高見 常明・田中歩・坂本 亘・草場 信
    • 学会等名
      第133回日本育種学会
  • [学会発表] イネ stay-green突然変異体 dye1の分子遺伝学的解析2018

    • 著者名/発表者名
      山谷 浩史・ 上妻 馨梨・中野 道治・林 依子・高見 常明・加藤 裕介・門田 有希・熊丸 敏博・奥本 裕・
    • 学会等名
      第59回日本植物生理学会
  • [学会発表] Molecular genetic analysis of the rice stay-green mutant dcd12017

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Yamatani, Kaori Kohzuma , Michiharu Nakano , Yoriko Hayashi , Tsuneaki Takami , Yusuke Kato , Wataru Sakamoto , Tomoko Abe , Makoto Kusaba
    • 学会等名
      Plant Biology 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] イネ stay-green遺伝子DYE1 単離と機能解析2017

    • 著者名/発表者名
      山谷 浩史・ 上妻 馨梨・中野 道治・林 依子・高見 常明・加藤 裕介・門田 有希・熊丸 敏博・奥本 裕・
    • 学会等名
      第9回中国育種談話会

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公開日: 2018-12-17  

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