研究課題/領域番号 |
15J04018
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡田 聡 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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キーワード | カール・ヤスパース / フリッツ・ブーリ / ペーター・ヴースト / ハインリッヒ・バルト / 二十世紀ドイツ語圏のプロテスタント思想史 |
研究実績の概要 |
・スイス、バーゼル大学の改革派教会の神学者であるフリッツ・ブーリとヤスパースに関する比較研究をおこない、次の二つの論文を執筆、投稿した。Philosophie und / oder Theologie der Existenz. Karl Jaspers und Fritz Buri: Stationen einer Begegnung“;「フリッツ・ブーリの「実存の神学」――ヤスパース哲学は神学的に実現されたか――」。それぞれ、Jahrbuch der Oesterreichischen Karl-Jaspers-Gesellschaft. 29, 2016;『実存思想論集』第31号、実存思想協会、2016年に掲載されることが決定している。 ・カトリックの哲学者であるペーター・ヴーストとヤスパースに関する比較研究をおこなった。本研究に際しては、ヴーストとヤスパースの間で交わされた未公刊の書簡の調査ほかのため、2015年9月6日から16日までドイツに出張し、マールバッハ・ドイツ文献資料館とトリーア大学図書館に滞在した。ドイツ文献資料館では、ヴーストへのヤスパースの影響を示す書簡を見出すなど、大きな収穫があり、それに基づき次の論文を執筆した。「ペーター・ヴーストのキリスト教的実存哲学――カール・ヤスパースとの近さと遠さ――」(投稿済、査読中) ・二十世紀ドイツ語圏のプロテスタント思想史に関する研究会として、京都大学キリスト教学研究室のメンバーを中心として、「宗教思想研究会」を立ち上げ、研究発表と質疑応答をおこなっている。 ・カール・ヤスパースの『哲学』第3巻『形而上学』の輪読会をおこなっている(日本ヤスパース協会公認の研究会)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題に関する論文を三本執筆した。二本が掲載決定済みであり、その内一本は、ヤスパース研究の国際的な中心地である『オーストリア・カール・ヤスパース協会年報』に掲載される。
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今後の研究の推進方策 |
スイス、バーゼル大学のプロテスタントの神学者であるハインリッヒ・バルトに関する研究をおこなう。同じくバーゼル大学のプロテスタントの神学者であるカール・バルトに比べ、彼の弟であるハンリッヒ・バルトに関する研究は、日本ではまったくおこなわれておらず、一次文献の日本語訳はおろか、二次文献も皆無の状況である。日本の大学図書館に所蔵されている一次文献、二次文献が少ないため、欧米諸国から文献を入手することから始め、届き次第、購読を進める。ヤスパースとの比較研究をおこなう準備作業として、次の主題の下、研究をまとめる。・「ハインリッヒ・バルトの実存の哲学」(2016年度中に研究発表予定)
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